調査の備忘録シリーズ。
量子コンピュータは2種類に分かれる。
⑴量子アニーリング
⑵量子ゲート
⑴量子アニーリングは最適化問題を解くことに特化している。有名なのはD-Waveのもの。
⑵量子ゲートは、今使われている古典コンピュータ+αで量子計算もできる。
⑵量子ゲートのうち、よく出てくるのは以下の2つ。
(2a) 超電導方式
(2b) イオントラップ方式
ニュースになっているGoogleやIBMのやつは (2a) 超電導方式のほう。
超電導方式を実現するには超低温にしないといけないため、その技術が必要になるが、今のところその技術を持っているのは数社のみ。
IBMは量子コンピュータ用のSDKをオープンソースとして公開しており、それがQiskitである。
https://qiskit.org/
GoogleやIBMが現在開発しているのは、リアルガチの量子コンピュータの前段階のものであり、NISQと呼ばれている。
そのNISQもまだ実務で使えるようなものではないが、数年以内に実務適用できるものが出てくる可能性がある。
実務での応用としては、
・モンテカルロシミュレーション
・機械学習
・最適化
などが多い。応用が期待される業界としては、金融、メディカル、化学など。
金融への応用としては例えば、
・デリバティブ価格計算
・デリバティブポートフォリオのリスク計算
・ポートフォリオ最適化
・セキュリティ
セキュリティについて、
現在使われているRSA暗号が、量子コンピュータに破られる可能性がある。RSA暗号は、因数分解の困難性を応用したもので、Shor先生のアルゴリズムが実装できれば破られてしまう。ただし、その他にも古典的な暗号方式はあって、中には量子コンピュータでも破れないものもある。
古典的ではない新たな暗号としては、量子情報理論を応用した量子暗号があり、これは原理的には破られることはないと言われている。